黄昏な日々の日記・・・の予定
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◆魔術士オーフェン・プレオーフェン(ss)◆
「なあ、こんなことやるのは、止めようよ。アザリーに見つかったらタダじゃすまないよ」
「なあ、こんなことやるのは、止めようよ。アザリーに見つかったらタダじゃすまないよ」
「うむ、そうだろう。いやそうに違いない。お前にしては中々の読みだぞキリランシェロ」
「いや、褒めてもらってもあまりうれしくないなぁ・・」
心からイヤそうな声の相棒に対して、何がそんなにうれしいのか、やたらと元気なハーティアは、
「そんな弱気な事でどうする!、我々には崇高な使命を果たすという義務があるのを忘れたのか!?」
「”使命”が”死命”にならないことを祈りたいな・・」
---思わず深いため息をつきたくなる気分のキリランシェロであった---
「で、これからどうするつもり。まさか、このままずっとここにいるんじゃないだろうね」
「なんだ、いたいのか?それならそうと言えば、考えなくもないぞ」
「断じてイヤに決まっているだろう!」
たまにこの親友の思考回路が理解できなくなるのは”自分の訓練が足りないのか?”などと考えてしまう真面目な少年であった。
もっとも当の本人に自覚があるのかどうかは別なのだが・・
「お前ってホントに欲がないなあ~こういう時こそ日頃の思いのたけをぶつけるんじゃないか!」
「・・具体的には・・」
「うん、ありとあらゆる嫌がらせをして、彼女に僕達の存在を知らしめてやるのだ!」
「・・なんか姑息な反撃の仕方だね・・」
「正面からの攻撃ではこちらが不利だからな。いつものウラミ、ここで晴らさずにどこで晴らすんだ~!」
(・・で、またいつものごとく黒コゲにされるんだなぁ・・いいかげん学習能力を身に付ければいいのに)
などと胸の内で友人の不幸な未来像を勝手に想像しているなど知る由もないハーテイアは、
「フフフフ・・あの天魔の魔女め・・今夜こそ覚悟するんだな・・」
「・・・・・あのさぁ、よく考えたらお前1人でやったほうが隠密行動になるんじゃないの?」
普通に考えたら2人より1人の方が隠密行動しやすいはず、ということは常識なのだが、
「何言ってんだ、僕達はコンビだろう?生きるも死ぬも一緒のはずだぞ、知らなかったのか」
「知らないよ。というか僕まで巻き添えにしないで欲しいというか」
「安心しろ。いざという時のための方法も考えている。そもそも、その為にお前を連れてきたのが分からないのか?」
さっきまで寝ていたところを理由も聞かされずに強引にたたき起こされたキリランシェロは、気楽そうな赤髪の友人を半眼でにらみつつ、
「・・つまり・・どういうこと?」
「簡単さ、いざとなればお前を引き渡して逃げる。弟のお前には甘いからな、あの悪魔の女狐は・・」
「・・僕はイケニエなのか・・ハーティア・・」
「ウソウソ、ジョークだって・・だから首をしめるな・・」
まあキリランシェロにも本気で絞めるつもりはなく、あっさり解放した後、ひと息ついたハーティアから
「まったく友達甲斐のないやつだな、キリランシェロ。そんなんだと、お前の未来は容易に想像つくぞ」
どんなだよ?と聞くと
「訳の分からん連中や、トラブルを呼び起こすヤツラしか友達がいなくなるってことだよ・・マジ心配なんだよ、お前に関してはな」
「そんなこと絶対にある訳ないだろ。僕だって友人は選びたいしね」
--ここで何故か外から別の声が聞こえて、
「あら、そうなの!?てっきりあなたは寄ってくる相手は、誰でもいいのかと思ってたわ」
「そう、そう、僕もそう思っていたんだけど・・ねえ、いくつか聞きたいことがあるんだけど・・」
「なあにハーティア?いっとくけど命乞いなら諦めてね。素直にわたしに鎖骨を折られなさい★」
「え~と、二つほど。アザリーの部屋になんでお姉さまがいるの?あと、なぜ鎖骨なのか聞いていい・・ティッシ・・」
「最初の質問は却下・・二つ目は・・ふふふ・・それはね・・わたしの趣味だからよ♪」
その夜、どこからともなく聞こえた悲鳴は運悪く誰の耳にも入らなかった。
---押入れに隠れている後輩たちのことをアザリーはとっくに気づいており、レテイシャことティッシと部屋を入れ替わっていたことを半死半傷のキリランシェロとハーティアが知るのは、それから7日後であった----
ちなみに、この晩の赤髪の親友の予言が”当たらずも遠からず”ということを数年後にキリランシェロは思い知ることになる----
~長く楽しい《塔》の夜~ (おわり)
「いや、褒めてもらってもあまりうれしくないなぁ・・」
心からイヤそうな声の相棒に対して、何がそんなにうれしいのか、やたらと元気なハーティアは、
「そんな弱気な事でどうする!、我々には崇高な使命を果たすという義務があるのを忘れたのか!?」
「”使命”が”死命”にならないことを祈りたいな・・」
---思わず深いため息をつきたくなる気分のキリランシェロであった---
「で、これからどうするつもり。まさか、このままずっとここにいるんじゃないだろうね」
「なんだ、いたいのか?それならそうと言えば、考えなくもないぞ」
「断じてイヤに決まっているだろう!」
たまにこの親友の思考回路が理解できなくなるのは”自分の訓練が足りないのか?”などと考えてしまう真面目な少年であった。
もっとも当の本人に自覚があるのかどうかは別なのだが・・
「お前ってホントに欲がないなあ~こういう時こそ日頃の思いのたけをぶつけるんじゃないか!」
「・・具体的には・・」
「うん、ありとあらゆる嫌がらせをして、彼女に僕達の存在を知らしめてやるのだ!」
「・・なんか姑息な反撃の仕方だね・・」
「正面からの攻撃ではこちらが不利だからな。いつものウラミ、ここで晴らさずにどこで晴らすんだ~!」
(・・で、またいつものごとく黒コゲにされるんだなぁ・・いいかげん学習能力を身に付ければいいのに)
などと胸の内で友人の不幸な未来像を勝手に想像しているなど知る由もないハーテイアは、
「フフフフ・・あの天魔の魔女め・・今夜こそ覚悟するんだな・・」
「・・・・・あのさぁ、よく考えたらお前1人でやったほうが隠密行動になるんじゃないの?」
普通に考えたら2人より1人の方が隠密行動しやすいはず、ということは常識なのだが、
「何言ってんだ、僕達はコンビだろう?生きるも死ぬも一緒のはずだぞ、知らなかったのか」
「知らないよ。というか僕まで巻き添えにしないで欲しいというか」
「安心しろ。いざという時のための方法も考えている。そもそも、その為にお前を連れてきたのが分からないのか?」
さっきまで寝ていたところを理由も聞かされずに強引にたたき起こされたキリランシェロは、気楽そうな赤髪の友人を半眼でにらみつつ、
「・・つまり・・どういうこと?」
「簡単さ、いざとなればお前を引き渡して逃げる。弟のお前には甘いからな、あの悪魔の女狐は・・」
「・・僕はイケニエなのか・・ハーティア・・」
「ウソウソ、ジョークだって・・だから首をしめるな・・」
まあキリランシェロにも本気で絞めるつもりはなく、あっさり解放した後、ひと息ついたハーティアから
「まったく友達甲斐のないやつだな、キリランシェロ。そんなんだと、お前の未来は容易に想像つくぞ」
どんなだよ?と聞くと
「訳の分からん連中や、トラブルを呼び起こすヤツラしか友達がいなくなるってことだよ・・マジ心配なんだよ、お前に関してはな」
「そんなこと絶対にある訳ないだろ。僕だって友人は選びたいしね」
--ここで何故か外から別の声が聞こえて、
「あら、そうなの!?てっきりあなたは寄ってくる相手は、誰でもいいのかと思ってたわ」
「そう、そう、僕もそう思っていたんだけど・・ねえ、いくつか聞きたいことがあるんだけど・・」
「なあにハーティア?いっとくけど命乞いなら諦めてね。素直にわたしに鎖骨を折られなさい★」
「え~と、二つほど。アザリーの部屋になんでお姉さまがいるの?あと、なぜ鎖骨なのか聞いていい・・ティッシ・・」
「最初の質問は却下・・二つ目は・・ふふふ・・それはね・・わたしの趣味だからよ♪」
その夜、どこからともなく聞こえた悲鳴は運悪く誰の耳にも入らなかった。
---押入れに隠れている後輩たちのことをアザリーはとっくに気づいており、レテイシャことティッシと部屋を入れ替わっていたことを半死半傷のキリランシェロとハーティアが知るのは、それから7日後であった----
ちなみに、この晩の赤髪の親友の予言が”当たらずも遠からず”ということを数年後にキリランシェロは思い知ることになる----
~長く楽しい《塔》の夜~ (おわり)
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